概要
バーレーンのムハラク島と沖合に残る、天然真珠産業の文化的伝統を伝える連続資産。バーレーン近海では2世紀から真珠産業が栄え、千年以上変わらない採取法が島の経済を支えた。17の建造物、3つの真珠貝養殖床、カラット・ブ・マヒール要塞などからなる。
見どころ
海と町を結ぶ真珠の道
沖合の養殖床からカラット・ブ・マヒール要塞を経て、ムハラクの店舗や倉庫へ至る。真珠が採取・運搬・取引された一連の流れを、海と都市にまたがって読み解ける。
商人の住居・倉庫・モスク
ムハラクには商人の邸宅、店舗、倉庫、モスクがまとまって残る。シャディの住居とモスクを含む建築群は、真珠が経済だけでなく暮らしと信仰も形づくったことを語る。
地理
資産は、ムハラク市内の17の建造物、沖合の3つの真珠貝養殖床、ムハラク島南端のカラット・ブ・マヒール要塞を結ぶ。海岸線には真珠商人の住居や店舗、倉庫、モスクが残り、海で採る人から陸上で加工・保管・販売する人まで、産業の全工程を空間として追える。
ペルシア湾は古くから真珠の産地として知られ、とりわけバーレーン近海の天然真珠は島嶼経済の基盤となった。真珠商人シャディの住居とモスクも、富と信仰が同じ産業共同体の中にあったことを示す。
歴史
バーレーン近海では2世紀から真珠産業が発展し、潜水による採取を中心とする方法が千年以上にわたって受け継がれた。しかし1930年代、日本で真珠養殖の方法が確立すると天然真珠を支えた市場環境が変わり、バーレーンの産業は急速に衰退した。
2012年に登録基準(iii)で世界遺産となった。(iii)は、現存する、またはすでに消滅した文化的伝統や文明を伝える独特な証拠を評価する基準である。養殖床、要塞、商人住宅、店舗、倉庫、モスクが一体で残るこの資産は、ペルシア湾から急速に失われた天然真珠産業の文化を伝える最後のまとまった証拠となっている。
