王墓の発見がピラミッドの定説を覆したマヤ都市

パレンケの古代都市と国立公園

Pre-Hispanic City and National Park of Palenque

密林から現れる白い神殿の内部で、一人の王の墓がマヤのピラミッド観を塗り替えた。

パレンケの古代都市と国立公園のミニチュア

概要

メキシコ南東部の熱帯林に残る古典期マヤ文明の都市遺跡。5〜7世紀に繁栄し、約500の建造物と精緻なレリーフが残る。碑文の神殿でパカル王の墓が見つかり、メソアメリカのピラミッドは神殿だけという定説を覆した。

  • メキシコ
  • 文化遺産
  • 1987年登録
  • 検定2級

見どころ

熱帯林の中にそびえるパレンケの碑文の神殿と長い中央階段

パカル王が眠る碑文の神殿

約500の建造物の中でも象徴的な階段ピラミッド。1949年に内部への入口が見つかり、王家の歴史を刻んだ碑文とパカル王の墓が確認され、ピラミッドは神殿だけという定説を覆した。

パレンケの王家の歴史を刻んだマヤ文字の石板と繊細な浮彫

王家を語るマヤ文字とレリーフ

石板に連なるマヤ文字はパレンケ王家の歴史を伝え、神話的主題の薄浮彫は古典期マヤの洗練を示す。建築の軽快さと繊細な彫刻技術が一体となった芸術を間近に味わえる。

地理

メキシコ南東部チアパス州、ウスマシンタ川流域の盆地と熱帯林に残るマヤ文明の都市遺跡である。古典期の聖域を代表し、最盛期の5〜7世紀には影響がウスマシンタ川流域へ広がった。現在は国立公園として、遺跡とそれを包む森林環境が一体で守られている。

約500の建造物が残り、端正な比例、軽やかな建築構成、マヤ神話を表す精緻な彫刻レリーフが高度な創造性を伝える。碑文の神殿、宮殿、十字架の神殿群などの建築と、王統を記したマヤ文字が、都市国家パレンケの政治・宗教・芸術を立体的に物語る。

パレンケの古代都市と国立公園の風景

歴史

パレンケは古典期マヤ文明を代表する都市国家で、5〜7世紀に最盛期を迎えた。洗練された建築と彫刻、神話を表すレリーフは、この文明の創造的才能とウスマシンタ川流域へ及んだ影響力を示している。

転機となったのが碑文の神殿の調査である。1949年に内部へ続く入口が発見され、パレンケ王家の歴史を刻んだマヤ文字の碑文とパカル王の墓が確認された。それまでメソアメリカのピラミッドは神殿としてのみ築かれたとする考古学上の定説は、王墓を内包するこの発見によって覆された。

古典期マヤの聖域、建築技術、文字文化、葬送観を一体で伝える顕著な遺跡として、1987年に登録基準(i)(ii)(iii)(iv)で世界遺産に登録された。

参考

公開日: 最終更新: