概要
モロッコの首都ラバトで、歴史的なイスラム都市と近代的なヨーロッパ式計画都市が共存する文化遺産です。ムワッヒド朝のウダイヤのカスバやハッサンの塔、17世紀の改修を経た旧市街、アンリ・プロストが1912年から整備した行政・住宅地区などが、多層的な都市の継承を示します。
見どころ
未完の大モスクを伝えるハッサンの塔
12世紀のムワッヒド朝が残した塔は、ラバトが都として構想された時代を象徴し、旧市街の歴史層をひと目で伝えます。
ウダイヤのカスバと計画都市の対話
堅固な城門と白い旧市街、その外側に広がる並木道と行政建築を見比べると、イスラムと近代西欧の共存が実感できます。
地理
ラバトはモロッコの大西洋岸にある首都です。旧市街にはウダイヤのカスバ、ムワッヒド朝の城壁と城門、ハッサンの塔などが残ります。これに隣接する新市街には、近代的な行政地区、住宅施設、試験植物園などが計画的に配置され、歴史地区と近代都市が一つの都市空間を形づくります。
古代、イスラム、マグレブ、ヨーロッパという異なる時代・地域の文化が重なりながら、互いを消さずに共存している点がラバトの特徴です。その統合度の高さから、北アフリカで最も完成された都市計画の一つと評価されています。
歴史
12世紀、ムワッヒド朝が都をラバトへ移し、城壁、城門、ウダイヤのカスバ、ハッサンの塔などを築きました。これらはムワッヒド朝の時代を伝える重要な遺構です。17世紀にはムーア人やアンダルシア人によって旧市街が改修され、イスラム都市としての層がさらに加わりました。
1912年にフランス統治下となると、都市計画家アンリ・プロストが近代都市の整備に着手し、行政地区、住宅施設、試験植物園を備えた新市街を形成しました。2012年、都市計画を介した価値観の交流を示す基準(ii)と、人類史の代表的段階を示す都市景観の顕著な見本である基準(iv)で登録されました。いずれも文化遺産の基準(i)〜(vi)に含まれます。
