7層の階段と500体を超える彫刻をもつ聖なる地下貯水施設

ラニ・キ・ヴァヴ:グジャラト州パタンにある王妃の階段井戸

Rani-ki-Vav (the Queen’s Stepwell) at Patan, Gujarat

地上から7層を下るたび、貯水施設は彫刻で満たされた聖なる地下宮殿へ姿を変えていく。

ラニ・キ・ヴァヴ:グジャラト州パタンにある王妃の階段井戸のミニチュア

概要

インド西部パタンにある、11世紀に王を亡くした妃が記念碑として建てた階段井戸。地下の貯水池へ7層の階段が下り、精緻なレリーフと500体を超える彫刻が、地下水貯蓄の実用性を芸術性と水の聖性を備えた建築へ高めている。

  • インド
  • 文化遺産
  • 2014年登録
  • 検定2級

見どころ

地下の貯水池へ下るラニ・キ・ヴァヴの7層の階段と柱廊

7層の階段と地下の貯水池

地表から地下の貯水池へ向かって、階段と柱廊が7層に重なる。反復する石柱の奥へ視線が導かれ、実用的な貯水構造が荘厳な建築空間へ高められたことが分かる。

ラニ・キ・ヴァヴ地下柱廊の神話的な石造レリーフと彫刻

500体を超える彫刻群

地下の壁龕や柱には、神話や宗教的要素を表す500体を超える彫刻が並ぶ。水を蓄える施設であると同時に、水の神聖性を祀る寺院として用いられた性格を伝える。

地理

インド西部、サラスワティ川に近いグジャラート州パタンにある。奥行き約65m、幅約20m、深さ約27mの細長い空間に7層の階段が設けられ、最深部の地下貯水池へ水位に応じて降りられる構造になっている。階段、柱廊、貯水部を一体化した地下水貯蓄システムである。

精密な彫刻を伴う空間は人類の創造的資質を示す傑作として登録基準(i)に、長い歴史をもつ階段井戸の建築技術を伝える顕著な見本として登録基準(iv)に認められた。

ラニ・キ・ヴァヴ:グジャラト州パタンにある王妃の階段井戸の風景

歴史

インドでは紀元前3000年頃から、地下水を蓄え、階段で水面へ近づく階段井戸が各地に造られてきた。ラニ・キ・ヴァヴはその伝統を受け継ぎ、11世紀に王を亡くした妃が記念碑として建てたことから「王妃の階段井戸」と呼ばれる。

地下には精緻なレリーフと彫刻を配した荘厳な空間が広がる。神話や宗教的要素を表す500体を超える彫刻によって、水を確保する実用施設に芸術性と聖性が重ねられ、水の神聖性を祀る寺院としても利用された。2014年に世界遺産へ登録された。

参考

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