概要
カリフォルニア州北西部の太平洋岸に広がる国立公園と3州立公園の自然遺産。霧に育まれたレッドウッドの原生林には、世界で最も高く長寿な樹木の一群が残る。乱伐から巨木を守ったレッドウッド保護連盟の活動も保全史の重要な一章である。
見どころ
霧にそびえる世界有数の巨木林
霧を集める海岸レッドウッドが天を覆う原生林。見上げても梢が見えないほどの樹高と、長い年月を刻んだ赤褐色の樹皮が圧倒的なスケールを生む。
巨木と水がつなぐファーン・キャニオン
プレーリー・クリーク周辺では、巨木の森からシダの谷、草原、太平洋岸まで景観が連続する。森林と水辺が多様な生き物を支える様子を体感できる。
地理
アメリカ合衆国カリフォルニア州北西部の太平洋岸に沿って広がり、世界遺産の登録面積は41,571haである。国立公園と3つの州立公園からなり、森だけでなく河川、草原、海岸線まで連続した生態系を守る。総面積のおよそ3分の1を、セコイアの仲間であるレッドウッドの森が占める。
海から流れ込む霧と温和で湿潤な気候が、世界で最も高く、最も長寿な樹木の一群を育んできた。沿岸レッドウッドの森林は、約1億6000万年前から続く樹木群の名残であり、かつて湿潤な温帯域に広く分布した森林が北米西海岸に残ったものでもある。巨木の樹冠から林床、河川、約60kmの海岸まで多様な生息環境がつながっている。
歴史
19世紀、カリフォルニアのゴールドラッシュで人口と都市建設が急増し、サンフランシスコなどの建材としてレッドウッドが大規模に伐採された。巨木林の消失に危機感を抱いた人々は1918年にレッドウッド保護連盟を結成し、森林を購入して保護する運動を始めた。1920年代にはカリフォルニア州が3つの州立公園を設け、1968年には連邦政府がレッドウッド国立公園を設立した。
1978年に国立公園の範囲が拡張され、伐採地や流域を含めた生態系の回復が進められた。1980年、国立公園と州立公園群が、壮大な景観と海岸レッドウッド林の生態学的価値により世界自然遺産となった。現在も旧伐採道路の撤去や流域再生を通じ、原生林だけでなく二次林を将来の老齢林へ戻す取り組みが続く。
