聖ヤコブ信仰とともに文化・建築を運んだスペイン北部の「道の遺産」

サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路:カミノ・フランセスとスペイン北部の道

Routes of Santiago de Compostela: Camino Francés and Routes of Northern Spain

石畳の道と橋、聖堂、施療院が連なり、千年にわたる巡礼者の歩みを今へ伝えます。

サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路:カミノ・フランセスとスペイン北部の道のミニチュア

概要

ピレネー山脈からスペイン北部を東西に貫き、聖地サンティアゴ・デ・コンポステーラへ至るキリスト教巡礼路です。カミノ・フランセスと北部の諸道、約1,800の聖堂・修道院・施療院・宿泊施設・橋などからなる珍しい道の遺産で、信仰と文化交流の歴史を伝えます。

  • スペイン
  • 文化遺産
  • 1993年登録
  • 検定3級
  • 検定2級

見どころ

スペインの巡礼路沿いに立つゴシック様式のレオン大聖堂とステンドグラス

ゴシックの光に満ちるレオン大聖堂

教材写真にも採られたレオン大聖堂は、巡礼路に重なるゴシック建築の代表的な見どころです。高い身廊と色鮮やかなステンドグラスは、沿道にロマネスク以後の建築文化も蓄積したことを示します。

サンティアゴ巡礼路に連なるロマネスク様式の石造聖堂と古い石橋

歩く人を支えたロマネスク聖堂と石橋

巡礼路の価値は道面だけでなく、祈りと休息を支えた聖堂、修道院、施療院、宿泊所、橋の連なりにあります。素朴で厚い石壁のロマネスク建築と古い石橋から、中世の文化交流を体感できます。

地理

カミノ・フランセス(フランス人の道)はピレネー山脈を越え、スペイン北部を東西に横断してサンティアゴ・デ・コンポステーラへ向かいます。2015年の拡張で、沿岸の道、バスク地方からラ・リオハへ抜ける内陸の道、リエバナの道、原始の道という北部の初期巡礼路が加わり、拡張部分だけで約1,500kmのネットワークを形成します。

道筋には巡礼者を支えた大聖堂、ロマネスク様式の聖堂と修道院、施療院、宿泊所、石橋など約1,800の歴史的建造物が残ります。道や文化交流のネットワークのような長い線状区域も遺産の価値を担い、この登録地は巡礼路と沿道資産からなるシリアルな文化遺産です。

サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路:カミノ・フランセスとスペイン北部の道の風景

歴史

9世紀、聖ヤコブの墓と信じられる場所が発見された後、サンティアゴ・デ・コンポステーラへの巡礼が始まりました。11世紀頃に聖ヤコブ信仰がヨーロッパ各地へ広がると、巡礼路は人と思想、技術を運ぶ文化交流の回廊となり、ロマネスク様式の普及にも役割を果たしました。

巡礼は12世紀に最盛期を迎え、庶民だけでなく王侯貴族も歩きました。沿道にはロマネスク建築に加えて、教材写真が示すゴシック様式のレオン大聖堂など、時代ごとの宗教建築が重なります。1993年に登録基準(ii)(iv)(vi)で登録され、2015年にスペイン北部の諸道へ範囲が拡張されました。

参考

  • UNESCORoutes of Santiago de Compostela: Camino Francés and Routes of Northern Spain
  • 書籍『くわしく学ぶ世界遺産300〈第5版〉』(発行:世界遺産アカデミー/世界遺産検定事務局、発売:マイナビ出版)
  • 書籍『きほんを学ぶ世界遺産100〈第4版〉』(発行:世界遺産アカデミー/世界遺産検定事務局、発売:マイナビ出版)

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