概要
ピレネー山脈からスペイン北部を東西に貫き、聖地サンティアゴ・デ・コンポステーラへ至るキリスト教巡礼路です。カミノ・フランセスと北部の諸道、約1,800の聖堂・修道院・施療院・宿泊施設・橋などからなる珍しい道の遺産で、信仰と文化交流の歴史を伝えます。
見どころ
ゴシックの光に満ちるレオン大聖堂
教材写真にも採られたレオン大聖堂は、巡礼路に重なるゴシック建築の代表的な見どころです。高い身廊と色鮮やかなステンドグラスは、沿道にロマネスク以後の建築文化も蓄積したことを示します。
歩く人を支えたロマネスク聖堂と石橋
巡礼路の価値は道面だけでなく、祈りと休息を支えた聖堂、修道院、施療院、宿泊所、橋の連なりにあります。素朴で厚い石壁のロマネスク建築と古い石橋から、中世の文化交流を体感できます。
地理
カミノ・フランセス(フランス人の道)はピレネー山脈を越え、スペイン北部を東西に横断してサンティアゴ・デ・コンポステーラへ向かいます。2015年の拡張で、沿岸の道、バスク地方からラ・リオハへ抜ける内陸の道、リエバナの道、原始の道という北部の初期巡礼路が加わり、拡張部分だけで約1,500kmのネットワークを形成します。
道筋には巡礼者を支えた大聖堂、ロマネスク様式の聖堂と修道院、施療院、宿泊所、石橋など約1,800の歴史的建造物が残ります。道や文化交流のネットワークのような長い線状区域も遺産の価値を担い、この登録地は巡礼路と沿道資産からなるシリアルな文化遺産です。
歴史
9世紀、聖ヤコブの墓と信じられる場所が発見された後、サンティアゴ・デ・コンポステーラへの巡礼が始まりました。11世紀頃に聖ヤコブ信仰がヨーロッパ各地へ広がると、巡礼路は人と思想、技術を運ぶ文化交流の回廊となり、ロマネスク様式の普及にも役割を果たしました。
巡礼は12世紀に最盛期を迎え、庶民だけでなく王侯貴族も歩きました。沿道にはロマネスク建築に加えて、教材写真が示すゴシック様式のレオン大聖堂など、時代ごとの宗教建築が重なります。1993年に登録基準(ii)(iv)(vi)で登録され、2015年にスペイン北部の諸道へ範囲が拡張されました。
