概要
メーラレン湖のローヴェン島にあるスウェーデン王家の宮殿群。「北欧のヴェルサイユ」と呼ばれるフランス・バロック様式の宮殿、整形式庭園、中国風小宮殿、18世紀の宮廷劇場が、3人の王妃と結びつく北欧王室文化の発展を示す。
見どころ
フランス・バロックの宮殿と庭園
1662年から約20年をかけて再建された宮殿と、軸線を強調する整形式庭園。フランス・バロック様式を北欧の王宮へ展開した、王領地の中心景観である。
18世紀の姿を伝える宮廷劇場
1766年に建てられた宮廷劇場は、18世紀の舞台空間と木製舞台機構を良好に伝える。ロヴィーサ・ウルリカ期の新しい文化の潮流を体感できる。
地理
スウェーデンの首都ストックホルム近郊、メーラレン湖上のローヴェン島にある王宮と建造物群である。「ドロットニングホルム」は「王妃の小島」を意味し、16~18世紀に生きた3人の王妃と深く結びつく。
左右対称の宮殿、幾何学的な庭園、中国風小宮殿、保存状態のよい宮廷劇場が一体となり、ヴェルサイユ宮殿の影響を北欧の風土と王室文化に適応させた18世紀の王領地を伝える。その優美なたたずまいから「北欧のヴェルサイユ」と呼ばれる。
歴史
王宮の前身は、国王ヨハン3世が王妃カタリーナ・ヤーゲロニカのために築いた夏の離宮である。1661年の火災で焼失すると、国王カール10世の王妃ヘドヴィーク・エレオノーラの命により翌年から再建が始まり、約20年をかけてフランス・バロック様式の宮殿へ生まれ変わった。
18世紀後半には王妃ロヴィーサ・ウルリカが内装をロココ様式へ整え、庭園に中国風小宮殿と宮廷劇場を加えた。宮殿は息子グスタフ3世へ引き継がれ、1982年以降はスウェーデン王家の居城となっている。一部は一般公開され、1991年に世界遺産へ登録、2019年に登録範囲が変更された。
