概要
ペルーのスペ川流域に築かれた、アメリカ大陸最古級の文明の都市遺跡。紀元前3000年頃から前1800年頃の石碑、くぼ地式円形広場、6基の巨大ピラミッド、指導者の住居、キープが、宗教を核とする高度な社会を伝える。
見どころ
6基の巨大ピラミッドと円形広場
乾燥台地に連なる壇状ピラミッドと、地面を掘り下げた円形広場が都市の中心を形づくる。18都市の一つでありながら、カラルの記念建築は文明の規模と計画性を圧倒的に伝える。
キープが示す複雑な社会
組み紐のキープと、ピラミッド・指導者住居の配置は、文字を残さなかった社会に情報管理と強い宗教的統率があったことを示す。遺構と出土品を結びつけて見るのが要点である。
地理
ペルー中部、緑のスペ川谷を見下ろす乾燥した砂漠台地に位置する。約626haの遺跡には、石と土で築かれた大規模な壇状建造物、石碑、くぼ地式の円形広場がまとまり、自然の河谷と計画的な祭祀空間が鮮やかな対比を見せる。
カラルは同じ地域に確認された18の都市遺跡の一つで、なかでも6基の巨大ピラミッドを含む複合建築が際立つ。ピラミッド、広場、指導者層の住居の配置には、社会と儀礼を統率した都市計画が読み取れる。
歴史
カラル・スペは中央アンデス先古期にあたる紀元前3000年頃から前1800年頃に発展した。石碑や円形広場は集団的な社会生活を、ピラミッドと指導者の住居は強力な宗教指導者がいたことを示す。出土したキープはアンデス地方特有の組み紐で、情報を記録・管理した複雑な社会の発展を物語る。
2009年に登録基準(ii)(iii)(iv)で世界遺産となった。(ii)は建築・技術・都市計画などにおける重要な価値観の交流、(iii)は現存または消滅した文化的伝統や文明を伝える独特な証拠、(iv)は人類史の代表的段階を示す建築・技術・景観の顕著な見本を評価する。カラルの祭祀建築と都市計画は、後世のアンデス文明へつながる社会・建築の形成を伝えている。
