ブッダの歯を守り続ける、最後のシンハラ王都

聖地キャンディ

Sacred City of Kandy

山あいの古都で守られる一つの仏歯は、王権の象徴から人びとの信仰の中心へ受け継がれ、今も聖都の鼓動を生み出している。

聖地キャンディのミニチュア

概要

スリランカ中央高地に築かれたシンハラ王国最後の都。王権の象徴とされたブッダの歯をまつる仏歯寺を中心に、2,500年を超えるシンハラ文化と上座部仏教の信仰を受け継ぐ、同国随一の巡礼都市である。

  • スリランカ
  • 文化遺産
  • 1988年登録
  • 検定2級

見どころ

白壁と金色の屋根をもつキャンディのダラダー・マーリガーワ寺院

王権を継ぐ仏歯寺

王権の象徴だったブッダの犬歯をまつる、スリランカで最も重要な仏教聖地。仏歯は聖室に安置され、1日3回の儀礼に合わせて聖室が開かれ、多くの参拝者が祈りをささげる。

中央高地の山並みに囲まれたキャンディの王宮と仏歯寺の聖都景観

山々に守られた最後のシンハラ王都

山々に守られた王宮と寺院群は、2,000年以上続いたシンハラ王国の最後の都を形づくった。王朝が1815年に終わった後も、聖都の役割は仏教僧団と巡礼者によって受け継がれている。

地理

スリランカ中央高地の山々に囲まれたキャンディは、シンハラ王国最後の首都である。自然の要害を生かした王都には王宮と仏教施設が築かれ、1815年にイギリスの支配下へ入るまで、2,500年を超えるシンハラ文化の伝統を支える重要な中心地となった。

都市の核をなすダラダー・マーリガーワ寺院、通称仏歯寺には、ブッダの犬歯と伝えられる聖遺物がまつられている。仏教は紀元前6〜5世紀頃にガウタマ・シッダールタが悟りを開いたことを起源とし、そのうち東南アジアへ広がった上座部仏教の信仰圏にキャンディは位置する。仏歯を守る王が正統な統治者とみなされた歴史から、寺院は王都の建築と宗教生活を一体に結ぶ存在となった。

聖地キャンディの風景

歴史

シンハラ王国は紀元前5世紀頃に成立したとされ、衰退と都の移動を重ねながら1815年まで存続した。キャンディはその最後の都として王の庇護を受け、長く続くシンハラ文化を開花させた。

伝承では4世紀頃、インド東部カリンガ王国の王女がシンハラ王家へ嫁ぐ際、ブッダの歯を髪の中に隠してスリランカへ運んだ。仏歯は王権の正統性を示す聖遺物となり、キャンディのダラダー・マーリガーワ寺院に安置された。国民の約7割を仏教徒が占めるスリランカで、ここは最も重要な仏教聖地であり、広く知られた巡礼地でもある。

1815年、シンハラ王国がイギリスの占領によって終焉すると、仏歯の管理は王権から仏教僧団へ移された。現在も仏歯は仏歯堂の聖室に守られ、1日3回の儀礼時に聖室が開かれる。1988年、王都の建築的価値と仏歯信仰との直接的な結び付きが認められ、登録基準(iv)(vi)で世界遺産に登録された。

参考

  • UNESCOSacred City of Kandy
  • 書籍『くわしく学ぶ世界遺産300〈第5版〉』(発行:世界遺産アカデミー/世界遺産検定事務局、発売:マイナビ出版)

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