聖ヤコブの墓へ巡礼者が集うキリスト教の聖都

サンティアゴ・デ・コンポステーラ(旧市街)

Santiago de Compostela (Old Town)

長い巡礼の終点で、石の広場と大聖堂が歩みを迎える。

サンティアゴ・デ・コンポステーラ(旧市街)のミニチュア

概要

スペイン北西部にある、十二使徒聖ヤコブの墓所を中心に発展した巡礼都市。ヴァティカン、エルサレムと並ぶキリスト教三大巡礼地の一つで、大聖堂と「栄光の門」、旧王立施療院をはじめ、ロマネスクからバロックまでの建築が重なる。

  • スペイン
  • 文化遺産
  • 1985年登録
  • 検定2級

見どころ

サンティアゴ大聖堂のロマネスク彫刻・栄光の門

巡礼者を迎える「栄光の門」

彫刻家マテオが約20年をかけ、1188年に完成させたロマネスク彫刻の傑作。巡礼者を迎える三連アーチに、聖書世界の像が精緻に刻まれる。

オブラドイロ広場に面する旧王立施療院の正面

巡礼を支えた旧王立施療院

巡礼者の治療と宿泊のために設けられた旧王立施療院。現在は歴史的建築を活用する国営ホテル、パラドールとして受け継がれている。

地理

スペイン北西部ガリシア州に位置し、キリスト教の十二使徒の一人聖ヤコブの墓所を中心に発展した旧市街である。ヴァティカン、エルサレムと並ぶキリスト教三大巡礼地の一つに数えられ、ヨーロッパ各地から延びる巡礼路の終着点となってきた。

旧市街には大聖堂を中心に多くの聖堂や修道院、歴史的建築が集まり、ロマネスク、ゴシック、バロックの各時代が重なっている。オブラドイロ広場には大聖堂の壮麗なバロック正面と、現在はパラドールとして使われる旧王立施療院が向かい合う。パラドールとは、城や修道院、貴族の邸宅などの歴史的建造物を活用したスペインの国営ホテルである。

サンティアゴ・デ・コンポステーラ(旧市街)の風景

歴史

9世紀初頭、この地で聖ヤコブの遺骸が発見されたと伝えられる。アストゥリアス王国のアルフォンソ2世は墓を祀る聖堂を建て、巡礼地の核が生まれた。10世紀末にはイスラム勢力に街を破壊されたが、レコンキスタによって奪還されると、11世紀後半からキリスト教の聖地として再興し、巡礼者が増えていった。

現在の大聖堂はレコンキスタ後に再建が始まり、主要部分が1128年に完成した後も12世紀を通じて増改築が続き、1211年に献堂された。正面門の「栄光の門」は、彫刻家マテオが約20年を費やして1188年に完成させたロマネスク様式の傑作である。その後も15世紀のクーポラ、16世紀の修道院、17世紀に完成したチュリゲラ様式の主祭壇などが加わった。チュリゲラ様式は17世紀末から18世紀に広がった、豪華で繊細な装飾を特徴とするスペイン独自のバロック様式で、多くの作品を手がけたチュリゲラ家に名を由来する。1985年に世界遺産へ登録された。

参考

  • UNESCOSantiago de Compostela (Old Town)
  • 書籍『くわしく学ぶ世界遺産300〈第5版〉』(発行:世界遺産アカデミー/世界遺産検定事務局、発売:マイナビ出版)

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