概要
カザフスタン北部のナウルズムとコルガルジン、2つの自然保護区からなる自然遺産。湖沼、湿原、ステップが連続し、アフリカ・ヨーロッパ・南アジアからシベリアへ向かう渡り鳥の重要な中継地である。絶滅危惧の水鳥や、密猟で脅かされるサイガを支える。
見どころ
渡り鳥が集う湖沼と湿原
アフリカ、ヨーロッパ、南アジアからシベリアへ向かう鳥たちが、広い浅瀬と湿地で休み、餌をとる。ソデグロヅルやハイイロペリカンなどの希少種を支える大陸規模の中継地。
ステップを生きるサイガ
乾燥と寒暖差の大きい草原を群れで移動するサイガは、特徴的な鼻をもつウシ科の動物。密猟により深刻な危機に直面し、広い生息地と移動経路の保全が欠かせない。
地理
カザフスタン北部の広大なステップ地帯にあり、ナウルズム自然保護区とコルガルジン自然保護区という2つの区域で構成される。淡水湖と塩湖、浅い湿地、草原、森林斑が組み合わさり、乾燥した大陸内部で多様な生息環境をつくる。
この湖群は、アフリカ、ヨーロッパ、南アジアからシベリアへ向かう渡り鳥の経路上にある。繁殖、休息、採餌の場として連続した湿地が不可欠で、季節によって水位や塩分が変化する湖と周辺ステップの生態学的過程が、多数の鳥類と草原動物を支えている。
歴史
20世紀にナウルズムとコルガルジンの自然保護区が整備され、北部カザフスタンに残る湖沼・湿原・ステップの保護が進められた。水鳥の大規模な渡りを支える地域であると同時に、ユーラシアの草原生態系をまとまった規模で残す保護区である。
湖群にはソデグロヅル、ハイイロペリカン、キガシラウミワシなど、絶滅危惧種を含む多様な水鳥が集まる。草原では大きく張り出した鼻をもつウシ科のサイガが生息するが、角などを目的とした密猟によって絶滅の危機にさらされてきた。
2008年、登録基準(ix)(x)で世界遺産に登録された。(ix)は陸上・淡水・沿岸・海洋の生態系や動植物群集の進化・発展における現在進行中の生態学的・生物学的過程、(x)は絶滅危惧種の生息域を含む、生物多様性保全上もっとも重要で代表的な自然生息域を評価する。渡り鳥には繁殖地だけでなく移動経路全体の保護が必要であり、サリアルカは大陸規模の生命のつながりを示す。
