概要
エチオピア北部の高原に、氷河作用と長い侵食が刻んだ深い渓谷、鋭い岩峰、巨大な断崖が連なる自然遺産。標高4,620mのラスダシャン山を擁する「アフリカの天井」で、ワリアアイベックスやゲラダヒヒなど希少な高地性動物を守る。
見どころ
断崖に生きるワリアアイベックスとゲラダヒヒ
厳しい高地環境に適応した希少動物を、切り立つ岩壁とアフロ・アルパイン草原の中で観察できる。ワリアアイベックスはシミエン山地を象徴する固有の野生ヤギである。
ラスダシャン山と氷河が刻んだ大渓谷
標高4,620mのラスダシャン山を中心に、氷河作用と侵食がつくった岩峰・深い谷・巨大な断崖が連なる。「アフリカの天井」の異名を実感できる山岳景観である。
地理
エチオピア高原北部の急峻な山岳地帯で、標高4,620mのラスダシャン山はアフリカ第4の高峰とされる。氷河がつくった渓谷や岩山に、長い侵食で生じた鋭い峰と深い谷、最大約1,500m落ち込む断崖が重なり、「アフリカの天井」と呼ばれる壮大な景観をつくる。
高標高の厳しい環境と一日の大きな寒暖差のため、生息できる動植物は限られる。その一方で、シミエン山地だけに生息するワリアアイベックス、エチオピア高地固有のゲラダヒヒなど、特異で希少な動物相が残る。
歴史
1969年に国立公園となり、1978年にはエチオピアの自然遺産として登録された。シミエン国立公園は、この年に初めて世界遺産リストへ記載された12件の一つである。
密猟や耕作地の拡大による生態系破壊が深刻化し、1996年から危機遺産リストに記載された。保全活動の進展を受けて2017年に危機遺産リストを脱した後も、希少動物の生息地と山岳景観を地域社会とともに守る取り組みが続く。
