概要
デンマークのシェラン島南東岸に、白亜紀の地層を含む白い崖が約15km続く自然遺産です。約6,500万年前のチクシュルーブ隕石衝突に伴う堆積層が地上に露出し、白亜紀末の大量絶滅を調べるうえで観察しやすい世界的な研究地となりました。
見どころ
白い崖を横切る絶滅境界
明るいチョーク層の間を走る細い暗色層が、隕石衝突前後の地球を分けます。大事件を抽象的な年代ではなく、目で追える一本の地層として理解できるのが最大の見どころです。
地上に開かれた15kmの地質断面
クレーター自体は海中にありますが、ステウンスでは海岸の崖に時代の境界が露出しています。浜から連続する断面をたどり、白亜紀前後の変化を比較できる研究地です。
地理
シェラン島南東部の海岸に、白いチョーク層と石灰岩層からなる崖壁が約15km連なります。崖の断面には白亜紀末とその後の地層が重なり、その間を細い暗色の境界層が横切ります。海中にあるメキシコ・ユカタン半島沖のチクシュルーブ・クレーターとは対照的に、ステウンスではその時代の証拠を地上の露頭で直接観察できます。
自然遺産は自然の生成物、地質・地形形成物、絶滅危惧種の生息地、自然景勝地などを対象とし、基準(vii)〜(x)の少なくとも一つを満たします。ステウンスは、生命進化の記録や地質学的過程、地形・自然地理学的特徴を通じて地球史の主要段階を示す基準(viii)で評価されています。
歴史
約6,500万年前、メキシコのユカタン半島沖へチクシュルーブ隕石が衝突しました。衝突で大気中へ舞い上がった灰や物質が遠くステウンスにも堆積し、恐竜を含む地上生物の約50%が絶滅したと考えられる大変動の境界を残しました。
この露出した地層は白亜紀の前後を比較しやすく、地質学と古生物学の研究で重要な役割を果たしてきました。登録基準(viii)は、地球の歴史、生命の記録、進行中の重要な地質学的過程、重要な地形・自然地理学的特徴という観点を対象とします。2014年、ステウンスの崖壁はこの基準による自然遺産として登録されました。
