概要
イングランド南部に残るストーンヘンジとエイヴベリーを中心とする先史遺跡群。巨石メンヒルを組み上げた環状列石と周辺遺構が、天体への関心、祭祀、共同体の技術を伝える、いまだ謎の多い巨石文明の証しである。
見どころ
太陽を見つめるストーンヘンジ
直立石に横石を渡した環状列石と、開口部の先に立つヒール・ストーン。太陽崇拝の祭祀や天文観測の場だったと考えられ、夏至の日の出方向との関係が研究されている。
ヨーロッパ最大級のエイヴベリー環状列石
外周約1.3kmにおよそ100個のメンヒルを配した壮大な環状列石。村を包み込むほどの広がりから、先史時代の人びとが共有した大規模な聖域の姿を体感できる。
地理
イングランド南部ウィルトシャーのソールズベリー平原にあるストーンヘンジと、そこから北へ約30km離れたエイヴベリーを中心とする先史遺跡群である。二つの地域には巨石を環状に配置した聖域と、その周辺の土塁、溝、祭祀・埋葬に関わる遺構がまとまって残り、広い景観全体が新石器時代社会の営みを伝えている。
ストーンヘンジでは、地面へ垂直に立てた巨石メンヒルに横石を渡した環状列石が象徴的である。メンヒルは西ヨーロッパに広く分布し、多くが新石器時代から初期鉄器時代に属する巨石記念物で、名称はブルトン語で「長い石」を意味する。エイヴベリーは外周約1.3kmの範囲におよそ100個のメンヒルを配した、ヨーロッパ最大級の環状列石として知られる。
歴史
ストーンヘンジとエイヴベリーは、巨石を運び、立て、秩序ある円へ組み上げることのできた先史時代社会の技術と信仰を示す。用途は完全には解明されていないが、ストーンヘンジは太陽崇拝の祭祀や天文観測の場だったと考えられ、列石の配置が天体の運行とどう結びつくか、現在も研究が続く。
一方のエイヴベリーは、きわめて大きな環状空間そのものを聖域化した遺跡である。二つの巨石遺跡と周辺の新石器時代遺跡は、記念物の設計、共同作業、儀礼景観の発達を比類なく伝える証拠として、1986年に世界遺産へ登録された。2008年には登録範囲が変更され、遺跡を取り巻く景観を含めた保護の枠組みが整えられた。
