概要
キルギスの都市オシにそびえる、5つの峰をもつ聖山。特徴的な山容はシルク・ロードの旅人にとって灯台のような目印となった。山腹の耕作跡、岩面画を残す洞窟群、16世紀に再建された2つのモスクに、古来の民間信仰とイスラム教が共存する。
見どころ
旅人を導く五峰のシルエット
オシの街から見上げると、5つの峰が一続きの明瞭な輪郭を描く。広域を往来したシルク・ロードの旅人が、灯台のように進路の目印とした理由を実感できる。
民間信仰とイスラム教が重なる巡礼路
洞窟や儀礼の場を結ぶ道の途中に、16世紀に再建された2つのモスクが立つ。古来の民間信仰とイスラム教が混在しながら継承された中央アジアの聖山文化をたどれる。
地理
周囲から際立つ5つの峰が連なる山で、その特徴的な輪郭は遠方からも見分けやすい。シルク・ロードを往来した旅人は、この山を進路を確かめる灯台のような目印とした。
山腹には古代の耕作跡地、岩面画が数多く描かれた洞窟群、巡礼や儀礼に関わる場所が分布する。16世紀に再建された2つのモスクも斜面に残り、山そのものと人の営みが一体となった聖地の空間をつくっている。
歴史
山の斜面には古代の耕作跡と多数の岩面画が残り、長い時間にわたって人がこの山を特別な場所として利用したことを示す。シルク・ロードの時代には、五峰の山容が旅人の目印となった。
民間信仰に根ざす儀礼の場へイスラム教の信仰が重なり、16世紀には2つのモスクが再建された。古来の信仰を排除せずイスラム教と共存させてきた姿は、中央アジアに多く見られる聖山文化の典型である。
2009年、キルギス初の世界遺産として登録された。登録基準(iii)は現存・消滅した文化的伝統や文明を伝える独特な証拠、(vi)は顕著な普遍的価値をもつ出来事、生きた伝統、思想、信仰、芸術・文学と直接または実質的に結び付く遺産を評価する。(vi)は他の基準との併用が望ましく、この遺産では(iii)と組み合わせて聖山の物的証拠と今も続く信仰の双方が示されている。
