氷河地形・プレート境界・固有生物がそろう南島南西部の大自然

テ・ワヒポウナム

Te Wahipounamu – South West New Zealand

氷河が刻んだ谷へ海が入り、原生林と滝が切り立つ峰を縁取る。

テ・ワヒポウナムのミニチュア

概要

ニュージーランド南島南西部の4国立公園と周辺地域からなる自然遺産。氷河作用とプレートの衝突が、フィヨルドや断崖、湖、滝を生み出した。ナンキョクブナとマキ類の古い森林には、飛べないタカヘキウイ、高山性オウムのケアなど固有種が生息する。

  • ニュージーランド
  • 自然遺産
  • 1990年登録
  • 検定2級

見どころ

切り立つ岩壁と滝に囲まれたミルフォード・サウンド

氷河が刻んだミルフォード・サウンド

氷河が削った深い谷に海水が入り、切り立つ岩壁と滝が静かな水面を囲む。タスマン海へ開くミルフォード・サウンドは、反復した氷河作用を実感できる代表景観である。

ナンキョクブナの林床に立つ固有鳥タカヘ

飛べない固有鳥タカヘの森

外敵の少ない島の環境では、飛べないタカヘやキウイ、世界唯一の高山性オウムであるケアなどが進化した。希少な固有鳥と古い森林を同時に守る遺産である。

地理

ニュージーランド南島南西部に広がる、4つの国立公園と周辺地域からなる自然遺産である。繰り返された氷河作用がフィヨルド、岩石海岸、高い崖、湖、滝を形成し、サザン・アルプスから流れた氷河が削った谷へ海水が入って、タスマン海に面するミルフォード・サウンドなどのフィヨルドが生まれた。

地域はインド・オーストラリアプレートと太平洋プレートの衝突・隆起によって形成され、アルパイン断層が両プレートの接触域を示す。主要なプレート境界を陸上で観察できる世界の3地域の一つであり、地形形成の過程を明瞭に伝える。

テ・ワヒポウナムの風景

歴史

地殻変動による隆起と、繰り返す氷河作用が、現在の険しい山岳・フィヨルド景観を形づくった。地域の約3分の2はナンキョクブナとマキ類に覆われ、樹齢800年を超える木も残る。鳥類の外敵が少ない環境のため、飛べないタカヘや国鳥キウイ、世界で唯一の高山性オウムであるケアなど、ニュージーランド固有の生物相が保たれた。

地球の地形形成と生態系の進化をともに示し、壮大な自然美と高い生物多様性を備えることから、1990年に登録基準(vii)(viii)(ix)(x)で世界遺産に登録された。

参考

  • UNESCOTe Wahipounamu – South West New Zealand
  • 書籍『くわしく学ぶ世界遺産300〈第5版〉』(発行:世界遺産アカデミー/世界遺産検定事務局、発売:マイナビ出版)

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