概要
カンボジア北部、タイ国境に近い高さ547mの断崖上に建つヒンドゥー教の聖地です。9世紀にクメール人が創建し、11世紀前半に再建されました。精緻な彫刻をもつ宗教建築と自然環境の調和が、人類の創造的資質を示す傑作として評価されています。
見どころ
断崖上へ続くクメール寺院
高さ547mの断崖上に石造建築が連なり、門をくぐるたびに聖域の奥へ導かれます。9世紀の創建と11世紀前半の再建を伝える堂々とした景観です。
精緻な石彫と自然の調和
宗教建築を飾る精緻な彫刻と、眼下へ広がる自然景観が一体となっています。建築単体ではなく、山上の聖地としての構成全体が見どころです。
地理
寺院はカンボジア北部の高さ547mの断崖上にあり、周囲の平原を見渡す山上の自然環境と一体になっています。タイとの国境未画定地域に位置してきたため、遺産の帰属は長く両国間の問題となりました。
石造建築群は地形に沿って展開し、参道を進むにつれて門や祠堂が現れます。精緻な石彫と断崖の眺望が結びつき、宗教建築と自然環境が調和する点に大きな価値があります。
歴史
9世紀にクメール人が創建し、11世紀前半に再建したヒンドゥー教の聖地です。国境未画定地域にあったためカンボジア内戦中も大規模な破壊を免れましたが、2008年の世界遺産登録を機にタイとの国境問題が再燃しました。
現在はカンボジア領とされ、2013年には国際司法裁判所がカンボジアの主権に関する判断を示しました。登録基準は、人類の創造的資質を示す傑作を対象とする基準(i)のみです。2024年3月時点で基準(i)だけにより登録された世界遺産は、プレア・ビヒア寺院、タージ・マハル、シドニーのオペラハウスの3件でした。
