地元のレンガを波打つ薄い構造へ変えたラテンアメリカ近代建築の傑作

技術者エラディオ・ディエステの作品:アトランティーダの教会

The work of engineer Eladio Dieste: Church of Atlántida

素朴なレンガは、壁から屋根へ連続する曲面となり、重さを忘れさせる静かな空間をつくります。

技術者エラディオ・ディエステの作品:アトランティーダの教会のミニチュア

概要

ウルグアイの技術者エラディオ・ディエステが設計し、1960年に完成した近代教会です。地元産レンガと伝統的な施工を生かしながら、強化レンガによる波形の壁と屋根を成立させ、右側の透かし積み円筒形鐘楼、地下洗礼堂と一体の革新的建築を生み出しました。

  • ウルグアイ
  • 文化遺産
  • 2021年登録
  • 検定2級

見どころ

波打つレンガ壁と曲面屋根が連続するアトランティーダの教会内部

強化レンガが描く波形の空間

内部から壁と屋根を見上げると、薄いレンガ面が二重に曲がりながら連続する様子が分かります。身近な素材と高度な構造技術を結びつけたディエステの革新を体感できます。

透かし積みレンガの円筒形鐘楼と地下洗礼堂への入口

透かし積みの鐘楼と地下洗礼堂

教会右側の円筒形鐘楼では、レンガの隙間を光が通り抜けます。足元の地下洗礼堂への動線と合わせて見ると、単純な素材を多様な空間へ変えた設計がよく分かります。

地理

ウルグアイの首都モンテビデオからおよそ45kmの地点に位置します。教会本体、右側の円筒形鐘楼、地下の洗礼堂がまとまり、周辺地域で得られるレンガを主要素材として建てられています。

文化遺産に適用される登録基準(iv)は、人類史の代表的段階を示す建築様式、建築技術、科学技術の総合体や景観の顕著な見本を対象とします。アトランティーダの教会は、ありふれたレンガと地域の施工技術を、近代的な構造計算と独創的な曲面へ結びつけた点で、この基準を具体的に示します。

技術者エラディオ・ディエステの作品:アトランティーダの教会の風景

歴史

エラディオ・ディエステは、レンガを補強して薄く強い曲面をつくる強化レンガの技術を駆使しました。教会では壁が波打ち、屋根も起伏しながら連続することで、重い素材から軽快で斬新な空間を生み出しています。

材料は地元産で、建設には地元の人々と伝統的な建築技術が関わりました。地域に根ざした素材と手仕事を否定せず、構造工学によって新しい近代建築へ発展させたことが、ラテンアメリカで生まれた傑作として評価されています。1960年に完成し、2021年に登録基準(iv)の文化遺産として登録されました。

参考

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