概要
ローマ教皇を元首とするカトリック教会の総本山で、国全体が世界遺産に登録された唯一の場所。サン・ピエトロ大聖堂やシスティーナ礼拝堂など、信仰と芸術の傑作が集まる。
見どころ
サン・ピエトロ大聖堂と抱擁する列柱廊
使徒ペテロの墓所の上に築かれた世界最大の宗教建築とされる大聖堂。ミケランジェロの巨大な円蓋と、ベルニーニが構成した広場・二重列柱廊が壮大な軸線をつくる。
大円蓋とベルニーニの大天蓋
ミケランジェロが設計した巨大な円蓋の下、ベルニーニのブロンズ製大天蓋が教皇祭壇を覆う。建築・彫刻・光が一体となった大聖堂内部の壮大な中心空間である。
地理
ヴァティカン市国はローマ市内に位置する小国で、ローマ教皇を国家元首とするカトリック教会の中心地である。国境内の全域が世界遺産に登録されており、国全体が世界遺産となっている唯一の例として知られる。中心にはサン・ピエトロ大聖堂、その前面には二重の列柱廊が包む円形のサン・ピエトロ広場が広がり、周囲を教皇宮殿と庭園が囲む。
限られた領域に、大聖堂、広場、システィーナ礼拝堂、宮殿、美術コレクション、庭園が密集する。宗教都市としての空間構成と、ルネサンスからバロックに至る建築・絵画・彫刻の傑作群が一体となり、キリスト教世界の精神的・芸術的中心を形づくっている。
歴史
この地は、イエス・キリストの最初の弟子である使徒ペテロ(イタリア語でピエトロ)の墓所と伝えられ、初期キリスト教以来の聖地となった。その墓の上にサン・ピエトロ大聖堂が築かれ、カトリック教会の総本山として発展した。
ルネサンス期にブラマンテを主任建築家として大規模な改築が始まり、ラファエロ、ミケランジェロ、マデルノ、ベルニーニらが計画を継承した。ミケランジェロは大聖堂の円蓋を設計するとともに、システィーナ礼拝堂に『最後の審判』を描いた。大聖堂は1626年に完成し、建築・絵画・彫刻の巨匠たちの才能を集めた世界最大の宗教建築とされる。
信仰、建築、都市計画、芸術の価値が重なり、1984年に国全体が登録基準(i)(ii)(iv)(vi)で世界遺産に登録された。キリスト教世界で最も神聖な場所の一つとして、現在も教皇庁の活動と世界の信徒の信仰に直結している。
