概要
ユーラシア大陸東端のカムチャツカ半島に、300を超す火山が密集する自然遺産である。登録資産は6つの火山地域からなるシリアル・ノミネーション・サイトで、ストロンボリ式噴火とハワイ式噴火を含む多様な火山活動、標高3,000mを超す活火山と氷河・氷帽の共存、孤立した半島に守られた生態系が一体となっている。
見どころ
均整のとれたオパラ火山の大景観
雪を頂く美しい成層火山の輪郭は、300を超す火山が集まる半島の象徴である。裾野から山頂までの端正な形と周囲の原生的な広がりを一望すると、地球内部の力を実感できる。
活火山と氷河がつくる火と氷の地形
玄武岩質の溶岩地形と、3,000m級の峰を覆う氷河・氷帽が隣り合う。火山活動の多様さだけでなく、その地形がヒグマやヘラジカ、針葉樹林を支える生態系にも注目したい。
地理
ロシア極東のカムチャツカ半島は、ユーラシア大陸の東端から太平洋へ突き出す火山地帯である。半島には300以上の火山があり、その主要な特徴を代表する6つの地域が一つの世界遺産として登録されている。写真教材で取り上げられるオパラ火山は、端正な円錐形を見せる美しい成層火山である。
玄武岩質マグマを噴き上げるストロンボリ式の火山、地表の割れ目から溶岩が流れ出すハワイ式の火山など、火山の型と現象が多彩である。活動中の火山でありながら、標高3,000mを超す山々には氷河や氷帽が発達し、火と氷が同じ景観に並ぶ。ユーラシア本土から隔てられ人口も少ないため人為的な環境破壊が比較的少なく、独自の生態系が保たれている。
歴史
火山活動、氷河作用、河川の浸食が現在も地形を変え続けている。玄武岩質の噴火がつくる溶岩地形と、氷河・氷帽が刻む谷や斜面が重なり、地球の形成過程を観察できる壮大な自然の記録となった。森やツンドラにはカラマツやモミが育ち、ヘラジカ、ヒグマなどが生息している。
1996年、6つの火山地域が登録基準(vii)(viii)(ix)(x)により世界遺産へ登録された。2001年には登録範囲が拡大され、カムチャツカ半島の火山地形と生態系をより包括的に保護する枠組みとなった。複数の離れた構成資産が共通の火山現象と自然環境を示すため、自然遺産のシリアル・サイトを説明する代表例にも挙げられる。
