巨大カルデラと間欠泉を抱く世界最初の国立公園

イエローストーン国立公園

Yellowstone National Park

地下の熱は、虹色の温泉と規則正しい熱水の柱となって大地に現れる。

イエローストーン国立公園のミニチュア

概要

アメリカ合衆国に広がる約90万haの自然公園で、巨大なカルデラ、間欠泉、温泉、渓谷、草原と豊かな生態系を擁する。1872年に世界最初の国立公園となり、手つかずの自然を尊ぶウィルダネスの理念を世界の自然保護へ伝えた。

  • アメリカ合衆国
  • 自然遺産
  • 1978年登録
  • 検定2級

見どころ

噴出するイエローストーンのオールド・フェイスフル間欠泉

平均約70分間隔で噴き上がるオールド・フェイスフル

地下でマグマに熱せられた水が周期的に熱湯と蒸気の柱となる代表的な間欠泉。現在も続く火山活動と地下水循環を、目の前の噴出から理解できる。

青い中心と橙色の周縁をもつグランド・プリズマティック・スプリング

微生物が彩るグランド・プリズマティック・スプリング

深い青の中心と橙色の周縁が広がる巨大温泉。高温の水と、温度帯ごとに異なる微生物の働きがつくる色彩は、地熱と生命の結びつきを示す象徴的景観である。

地理

約9,000km²におよぶ高原状の自然公園で、渓谷、草原、森林、温泉、間欠泉が広がる。約200万年前、120万年前、60万年前に大規模噴火が起こり、最後の噴火では地面がドーム状に隆起して裂け目からマグマが噴出し、公園中心部に巨大なカルデラが形成された。カルデラとは、噴火で地下のマグマ部分が空洞化し、地面が陥没してできる大きな窪地である。

地下では現在もマグマ活動が活発で、地表の割れ目から浸透した雨水が急速に熱せられ、温泉や間欠泉として噴き出す。オールド・フェイスフル間欠泉は日によって差があるものの平均約70分間隔で噴出する。グランド・プリズマティック・スプリングの青い中心部と周縁の鮮やかな色彩は、水温や微生物群集の違いがつくる熱水景観である。

イエローストーン国立公園の風景

歴史

鉄道開発で観光地化したナイアガラの滝への反省も背景となり、調査隊のフェルディナンド・ヘイデンやナタニエル・ラングフォードらが保護を訴えた。1872年、ユリシーズ・グラント大統領が保護法に署名し、イエローストーンは世界最初の国立公園となった。先住民族のスー族は、地面から立つ蒸気などの奇観を「霊気に満ちた場所」と畏れたと伝えられる。

1978年には最初の12件の一つとして世界遺産リストに記載された。管理ではウィルダネス(手つかずの自然)の理念が重視され、自然に起きた山火事を一律に消火せず、自然の回復力へ委ねる考え方も採られてきた。人の介入を極力抑えて本来の生態系を維持するこの方法は、世界の自然保護にも大きな影響を与えている。

参考

  • UNESCOYellowstone National Park
  • 書籍『くわしく学ぶ世界遺産300〈第5版〉』(発行:世界遺産アカデミー/世界遺産検定事務局、発売:マイナビ出版)

公開日: 最終更新: