糸車の音が響く津和野の岩

ぶんぶん岩

ぶんぶん岩

ぶうん、ぶうん。岩の奥から糸車がまわる。担いでゆく女は、名を問われてただ笑った。石にかじりついてでも晴らしたい思いが、今も糸を紡いでいる。

ぶんぶん岩 figure art

Danger and Rarity

D
戦闘力

直接人を害する力は伝えられていない。

D
敵対性

人への害意はなく、時に福さえもたらす。

S
稀少性

ただ一体、一度きりの怪異として語られる。

Overview

石見日原の須川にあった岩。傍を通ると岩の中から糸車をまわす音が聞こえたので「ぶんぶん岩」と呼ばれた。糸車を担いだ女の幽霊が現れたが、祭って弔うと出なくなったという。

Encounter

津和野・須川の山道でこの岩の傍を通ると、岩の中から「ぶうん、ぶうん」と糸車をまわす音が聞こえてくる。やがて糸車を担いだ女に出会い、名を問えば女はにっこりと笑う。かつてこの地で殺された女の幽霊で、石に怨みが乗り移り、夜ごと声や怪音を発したと伝わる。

Lore

水木しげる『日本妖怪大全』(1991年、講談社)に石見日原(現・島根県鹿足郡津和野町須川)の岩の怪として紹介される。須川は昭和10年に日原村へ編入され、日原町を経て2005年に津和野町の一部となった。国際日本文化研究センターの妖怪伝承データベースには独立項目が見当たらず、典拠は水木の著作に拠るところが大きい。

Traits

岩そのものが糸車をまわす音を発し、殺された女の霊がそこに宿るとされる。霊は糸車を担いで通行人の前に現れ、身の上を問われると笑って応える。人を襲うのではなく、晴らせぬ思いを訴えるように怪音を立て続ける。祭りをして弔えば、思いを遂げたのか現れなくなるという。

ぶんぶん岩 cover image