見つめるほど伸びあがる化け獺

カワン

カワソ / カワウソ / 獺 / 川獺

夜道でふと見上げた影が、見るまに大きくなっていく。負けじと見つめ返すほど、そいつはのびあがる――が、こちらが先に「見越した」と笑えば勝ちだ。しぼんで猫ほどになった獺が、鼠色の背を丸めて、水辺の闇へ消えていく。

カワン figure art

Danger and Rarity

C
戦闘力

驚かせ、転ばせる程度。命までは取らない。

C
敵対性

脅かし惑わせはするが、深追いはしない。

C
稀少性

広く知られるが、日常で出遭うことはまれ。

Overview

カワンは、四国・愛媛の宇和地方でカワソと呼ばれるカワウソの妖怪。大きな猫ほどの鼠色で、水辺に群れをなす。人に憑いて肩車をし、列をつくる。海岸で見つめると次第に大きくのびあがるが、機を見て「見越した」と唱えると急に縮んで消える。人と背比べを好む。

Encounter

宇和の海辺や川辺、夜遅い道で出会う。暗闇に目を凝らすと猫ほどの獣がひしめき、千匹が肩車をして列をつくる「カワソの千匹連れ」に出くわすこともある。じっと見すえるほど相手は大きくのびあがるが、頃合いを見て「見越した」と言えば、急にしぼんでどこかへ消えてしまう。

Lore

『愛媛県史 民俗』などに、宇和地方でカワウソをカワソと呼び、女や物に化け、水に入っても濡れないと記録される。南宇和郡内海村の「見越した」伝承は、見上げるほど大きくなり呪文で消える見越し入道と同型のモチーフ。柳田国男『妖怪談義』も能登のカワウソの化けを伝える。

Traits

水を出ても毛が濡れず、猫のように這って淵や穴に棲む。女や子ども、時には石にも化けて人を惑わす。群れて肩車で列をなし、見る者の前でいくらでも背を伸ばすが、「見越した」の一言で正体を見破られると力を失い、みるみる小さくなって逃げ去る。人との背比べを何より好む。

カワン cover image