旅人を襲う伯母ヶ峰の一本足の鬼

一本足

背に熊笹を負うた猪は、もう息をしていない。だが恨みだけは死ななかった。十二月二十日、地蔵の縄が緩む日にだけ、伯母ヶ峰の鬼は牙を剥く。

一本足 figure art

Danger and Rarity

A
戦闘力

人の命を奪う明確な攻撃手段を持つ。

A
敵対性

人と見れば襲いかかる、強い害意を持つ。

S
稀少性

ただ一体、一度きりの怪異として語られる。

Overview

奈良県吉野郡の伯母ヶ峰に伝わる一本足の鬼。猟師・射場兵庫に撃たれた大猪「猪笹王」の亡霊が正体とされ、恨みを晴らそうと旅人を襲って食べるようになった。丹誠上人により地蔵尊に封じられたが、12月20日「果ての二十日」だけは自由になるという。

Encounter

奈良県吉野郡上北山村・伯母ヶ峰の山道、とりわけ旧暦12月20日「果ての二十日」に現れるとされる。かつては野武士に化けて湯治場に紛れ込むほど巧妙に正体を隠していたが、恨みが晴れぬまま鬼と化してからは、山道を通る旅人を待ち構えて襲いかかる。

Lore

奈良県吉野郡に伝わる猪笹王の伝承で、『奈良県史13 民俗(下)』(1988年)などに記録される。猟師に撃たれた大猪の霊が一本足の鬼となって旅人を襲い、丹誠上人が地蔵尊に封じたとされる。近年は地元で神として祀り直す動きも進んでいる。

Traits

背に熊笹を生やした大猪の亡霊が一本足の鬼に姿を変えたもので、人に化けて振る舞う知恵も持つ。猟師への恨みから旅人を襲って食らうようになり、地蔵尊に封じられてなお、12月20日だけは自由に山を歩き回る力を保っている。

一本足 cover image