四国に伝わる、七人連れの行き逢い神
七人同行
牛が四つ辻でふいに足を止める。急かしても動かない。股の間から覗けば、笠を伏せた七つの背が黙々と行き過ぎていく。声をかけてはならない。振り向かせてもならない。息をひそめ、七人が通り過ぎるのを、ただ待つほかない。
Overview
七人同行は、香川県に伝わる一種の行き逢い神で、笠を被った七人が一列になって黙々と歩く亡霊の一団とされる。姿は目に見えないが、牛の股の間から覗くと見えるといい、正面から行き逢うと死ぬと恐れられてきた。四国地方には、高知県の七人ミサキなど、同様に七人一組で祟るとされる集団亡霊の伝承が広く分布する。
Encounter
香川県の道や四つ辻で、牛を連れて歩いていると、十字路にきたとたん牛が急に立ち止まって動かなくなることがある。そんな時、思い切って牛の股の間から前方を覗き見ると、笠を被った七人が黙々と列をなして歩いていく姿が見えるという。人の目には本来映らず、動物のただならぬ様子だけが、その接近をひそかに知らせる。
Lore
七人同行は、草野巧『幻想動物事典』(1997年)や多田克己『幻想世界の住人たちIV 日本編』(1990年)、村上健司編著『日本妖怪大事典』(2005年)など、現代の妖怪事典類で香川県の行き逢い神として紹介される。牛の股間から見えるという視認法や、高知県の七人ミサキなど四国各地に伝わる七人一組の集団亡霊伝承との類似がしばしば指摘されている。
Traits
七人同行は、常に七人一組で隊列を組み、笠を被って黙々と歩き続ける行き逢い神である。人間には見えないが牛馬などの動物には敏感に感知され、進路上に来ると急に立ち止まって動かなくなる。正面から行き逢うと死を招くと恐れられ、香川県仲多度郡には同種の七人童子が四つ辻に現れるといわれ、人があまり通らなくなった場所も伝わっている。