将軍に直訴した義民の怨霊
佐倉惣五郎の霊
訴状は将軍の手に渡ったが、惣五郎の手には何も残らなかった。ただ堀田の血筋にだけは、いつまでも何かが残り続けたという。
Overview
重税に苦しむ農民のために将軍に直訴し処刑された義民の怨霊。手に直訴状を持ち、領主一族に祟る。
Encounter
処刑の夜、磔にされたそのままの姿で、佐倉藩主堀田正信の枕元に現れたと伝えられる。以後も堀田家の周辺で凶事が続くたび、その気配が語られた。
Lore
惣五郎の怨霊譚は、正徳5年(1715年)成立の地誌『総葉概録』に、公津村の百姓が処刑され、藩主堀田正信の改易がその祟りとみなされたと記されたのが早い記録とされる。江戸後期には『地蔵堂通夜物語』などの実録本が将軍直訴の顛末を描き、歌舞伎『佐倉義民伝』を通じて広く語り継がれた。
Traits
怨みを晴らすまで消えぬ執念を持ち、取り憑いた相手を乱心させ、家族を次々と変死や自害に追い込むとされる。処刑の際「正信を修羅の道へ引きずり込む」と誓ったといい、堀田家に祀られ法要を受けてもなお、その誓いは果たされ続けたと語られる。