力比べを挑む堅田の湖岸の怪火

化け火

湖畔にぽつりと火が生まれる。近づけば人の形に、組み合えば力士の形に。堅田一の力自慢でさえ、十メートル先まで投げ飛ばされた。

化け火 figure art

Danger and Rarity

B
戦闘力

条件がそろえば、人の命にも関わる。

C
敵対性

脅かし惑わせはするが、深追いはしない。

A
稀少性

限られた土地でだけ、まれに語られる。

Overview

湖から現れ山へ移動する巨大な火。人の形や相撲を取る姿になる。力自慢が飛びかかっても投げ飛ばされる。

Encounter

化け火が現れるのは近江堅田(現・滋賀県大津市堅田)の湖岸から山手にかけて。曇りか小雨の夜に限って、湖の水際にぽつりと火が生まれ、地上一メートルほどを漂いながら村の方へと近づいてくる。晴れた夜には姿を見せず、稲の実る時期に田の畦道で夜番をする者が不意に出くわすことが多いという。

Lore

この怪火は、文化年間(1804〜1818年)に成立した奇談集『周遊奇談』に「化けの火」として記録された、近江国堅田村の伝承である。単なる怪火にとどまらず、人の姿を取って力比べを挑む描写を伴う点が特徴で、湖畔の妖怪譚として語り継がれてきた。

Traits

化け火は湖の水際で生まれると、じわじわと膨らみながら山手を目指し、着く頃には直径三尺(約90センチ)ほどの火の玉となる。腰から上だけが人の形をなし、時に二人分の腕を組んで相撲を取るような姿にもなるが、下半身は最後まで見えない。挑みかかる力自慢を五、六間(約9〜11メートル)も投げ飛ばすほどの怪力を秘めている。

化け火 cover image