殺された者たちの恨みが生んだ鬼

執念の鬼

戸は固く閉ざされ、叫んでも開かない。ようやく開いた部屋には、争った跡だけが残り、愛した女の姿はどこにもなかった。殺した者の数だけ、恨みは消えずに積み重なっている。

執念の鬼 figure art

Danger and Rarity

A
戦闘力

人の命を奪う明確な攻撃手段を持つ。

B
敵対性

縄張りや禁忌に触れた者を積極的に襲う。

S
稀少性

ただ一体、一度きりの怪異として語られる。

Overview

執念の鬼は、赤松則祐の家臣・小室鬼八郎のもとに現れた鬼。悪行を重ね多くの人を殺していた鬼八郎への報いとして、殺された者たちの執念が鬼となり、本人ではなくその愛妾を連れ去るという形で復讐したとされる。

Encounter

現れたのは鬼八郎の愛妾の家、夜も更けて寝支度をしていた時のこと。突然妻戸が開き、鬼のようなものが女の髪をひとつかみにして引き入れた。鬼八郎が怒って戸を開けようとしても固く閉ざされたままで、ようやくこじ開けた時には女も鬼も跡形もなく消えていた。

Lore

鬼八郎は、意に添わぬ相手を手にかけては奪うことを繰り返し、数知れぬ人間を殺していた悪人だったという。その報いか、殺された人々の執念が鬼へと形を変えて現れたのだろうと、当時の人々は噂した。ひと思いに鬼八郎自身を殺さず、彼が最も大切にしていた者だけを選んで連れ去った点に、深く長引く恨みの性質が表れているとされる。

Traits

執念の鬼は、特定の一人が死して生まれる鬼ではなく、殺された者たちの恨みが幾人分も積み重なって形をなす鬼である。固く閉ざされた戸をこじ開けるまでもなく人を引き込み、去るときには痕跡ひとつ残さない。単独の亡霊よりも執念深く、狙った相手には決して逃げ場を与えない。

執念の鬼 cover image