戸を開けた先に浮かぶ、狸の大顔

大かむろ

戸の外でカタリと鳴った、その音の正体を確かめてはいけない――開けた瞬間、闇より昏い顔が笑う。

大かむろ figure art

Danger and Rarity

D
戦闘力

直接人を害する力は伝えられていない。

C
敵対性

脅かし惑わせはするが、深追いはしない。

B
稀少性

各地に類話はあるが、遭うには条件がいる。

Overview

雨戸を開けると大きな顔がニューッと現れる。徳島で様々な怪異を一手に引き受ける化け狸の仕業とされる。

Encounter

夜、家の外でふと物音がしたと感じ、雨戸や障子の陰をうかがった瞬間に姿を見せる。油断してその物音の正体を確かめようとした者だけが、闇の中に浮かぶ巨大な顔と目を合わせることになる。

Lore

徳島では他の地方で砂かけ婆や火の玉、高入道などとして語られる怪異までも狸の仕業とみなされる傾向が強く、大かむろもその一つに数えられる。名称は鳥山石燕『今昔画図続百鬼』(1779年)に描かれた「大禿(おおかぶろ)」と字面が似るが、両者は直接の関連がない別系統の妖怪とされる。

Traits

鋸を挽く音や下駄の音、汽車の走行音をまねる「狸列車」、小豆を洗う音まで演じ分ける芸達者で、時には葬式や婚礼の行列の気配を作り出すこともある。人に取り憑く「狸憑き」を起こすこともあるが、目的はあくまで驚かすことにあり、爪や牙で直接手を下すことはないとされる。

大かむろ cover image