雨夜の大道を行く、丈高き座頭

大座頭

杖の音がひとつ、またひとつ。雨の大道に響くたび、闇の中でその影はまた一歩、背を伸ばしていく。

大座頭 figure art

Danger and Rarity

D
戦闘力

直接人を害する力は伝えられていない。

D
敵対性

人への害意はなく、時に福さえもたらす。

S
稀少性

ただ一体、一度きりの怪異として語られる。

Overview

風雨の夜に杖をついて徘徊する背の高い座頭。出会った人に「女郎屋へ行く」と答えるなど人間臭い面がある。

Encounter

人通りの絶えた大通りに、時化模様の晩を選ぶように姿を見せる。ぼろぼろの袴に木履という座頭そのものの身なりだが、尋常でない上背があり、杖の音だけを響かせて黙々と歩き続ける。呼び止めれば歩みを止め、律儀に行き先を答えるという。

Lore

鳥山石燕の画集『今昔百鬼拾遺』下之巻「雨」に描かれる妖怪。詞書はごく短く、姿と受け答えの逸話を記すのみで、由来を説く物語は残されていない。研究者の村上健司は夜道を歩く座頭の異形を石燕が怪異として描いたものと見る一方、多田克己は幕府の保護下で金融業も営んだ座頭を、恐ろしい取り立て人として表したのではないかと指摘する。

Traits

積極的に人を襲った記録はなく、声をかけられれば素直に応じる穏やかな一面を見せる。現れるのは風雨が特に激しい晩に限られるとされ、天候そのものと結びついた存在らしい。その正体は按摩や音曲を生業とする盲目の職能者とも、金を貸し取り立てに回る座頭とも言われ、出会う者の受け止め方によって恐ろしさの色合いが変わる。

大座頭 cover image