疫病を運ぶ黄色い息の邪気
妖怪風の神
風の神 / かぜのかみ
そよ、と首すじをかすめた風が黄色いと気づいた時には、もう遅い。
Overview
風に乗って各地をさまよう邪気の一種。人を見つけると口から黄色い息を吹きかけ、これを浴びた者は疫病や熱病を患うとされる。姿かたちよりも、災いをもたらす「気」そのものとして恐れられた妖怪である。
Encounter
決まった棲家を持たず、季節の変わり目や流行り病の広まる時季に、風とともにやって来る。戸のすき間や壁の破れ目、暖と寒の境目といったわずかな隙をねらって家や体に入り込むといい、風の通う所ならどこであっても出現の場となる。
Lore
天保十二年に刊行された絵本百物語(桃山人夜話)に「風の神」として載る。風に乗って所々をめぐり、人を見れば口から黄色い風を吹きかけ、その風にあたった者は必ず疫や傷寒を患うと記され、竹原春泉斎の絵は痩せた鬼形が風を吹く姿に描いている。
Traits
実体は薄く、風と一体になって移動する。吹きかける黄色い息は疫病や傷寒(急性の熱病)を引き起こす病そのもので、直接組み合うより先に病を移して人を弱らせる。物のすき間や体の隙をつく性質から、備えの緩んだ所ほど付け込まれやすい。
人を見れば口より黄なる風を吹きかくる
絵本百物語