堂塔を突き崩す物部守屋の怨霊

寺つつき

寺啄 / てらつつき

こつ、こつ、と軒を叩く音がやまない。見上げれば、ただ一羽の鳥。だがその嘴が穿つのは虫の潜む朽ち木ではなく、太子の願いを込めた大伽藍だ。恨みは千年、木口を刻んでなお、金色の甍を睨み続ける。

寺つつき figure art

Danger and Rarity

C
戦闘力

驚かせ、転ばせる程度。命までは取らない。

C
敵対性

脅かし惑わせはするが、深追いはしない。

S
稀少性

ただ一体、一度きりの怪異として語られる。

Overview

鋭い嘴を持つ妖鳥で、聖徳太子の建てた四天王寺や法隆寺の堂塔を、来る日も来る日も突いて壊そうとする。仏法をめぐる争いに敗れて滅んだ物部守屋の怨霊が、仏の教えを妨げんとして化した姿だと伝えられる。

Encounter

現れるのは、太子ゆかりの大寺の甍の上である。軒や柱を執拗に叩く乾いた音が響き、見上げれば一羽の怪鳥が、堂塔の木口を穿ちながら建物を蝕んでいる。狙うのは人里ではなく、仏法の据えられた聖域そのものである。

Lore

古の神を奉じ、仏の受容に反対した豪族が、聖徳太子と蘇我馬子との争いに敗れ、一族もろとも滅んだ。その深い恨みがこの妖鳥と化したという。『源平盛衰記』では、寺を突く怪鳥に太子が鷹と化して立ち向かうと、鷹を恐れてそれきり現れなくなったと語る。

Traits

頑丈な嘴を唯一の武器とし、狙うのは人ではなく寺の建物である。木を穿つ習性はまさに啄木鳥そのもので、その正体はアカゲラなどのキツツキだろうと考えられている。実在の鳥の営みに、滅ぼされた者の執念が重ねられた妖怪といえる。

寺つつき cover image