心を読む大山の鬼

山鬼

「怖いと思ったろう」「逃げたいと思ったろう」――言葉より先に、胸の内が読まれていく。だが案ずるな。この鬼は、お前の心は読めても、爆ぜる薪までは読めない。

山鬼 figure art

Danger and Rarity

B
戦闘力

条件がそろえば、人の命にも関わる。

B
敵対性

縄張りや禁忌に触れた者を積極的に襲う。

B
稀少性

各地に類話はあるが、遭うには条件がいる。

Overview

相模の大山に語られる深山の怪。人の胸のうちを見透かし、恐れも企ても口に出す前から言い当てる。だが人の心を読めても偶然だけは読めず、些細な弾みにあっけなく退散する、隙のある鬼として伝わる。

Encounter

山中で火を焚いて一人休むとき、闇の奥からぬっと現れる。こちらが「気味が悪い」と思えば「気味が悪いと思ったな」と返し、逃げようと考えれば逃げると言い当て、心を丸裸にされた者は生きた心地もなく身をすくめる。

Lore

人の心を察する怪は各地で語られ、相模国(神奈川県)ではこれを山鬼と呼んだ。焚き火にあたる木こりの心を次々言い当てていたところ、爆ぜた薪の火が偶然その顔を打ち、思わぬ出来事に驚いて山へ逃げ去ったと伝わる。人の作為は見抜くが、偶然には勝てぬという。

Traits

黒い毛におおわれた鬼形で、深山に独りで棲む。相手の思考を読み取って先回りするため言葉で欺くのは難しいが、当人すら予期せぬ偶然にはなす術がない。火の粉、落ちる木の実、不意の物音――そうした一瞬の乱れが、この賢しい鬼を追い払う唯一の隙となる。

山鬼 cover image