殺された者の胸から立つ、怨みの火

心火

刃を引いたその胸に、ふっと冷たい火がともる。それは死んだ者の最後の言葉──「忘れさせはしない」と、燃えながら囁いている。

心火 figure art

Danger and Rarity

C
戦闘力

驚かせ、転ばせる程度。命までは取らない。

C
敵対性

脅かし惑わせはするが、深追いはしない。

A
稀少性

限られた土地でだけ、まれに語られる。

Overview

人が殺されたとき、その死体から必ず出るという火。殺した者の懐に入り込み、やがて被害者が幽霊となって現れる前兆として燃える。人魂とは異なり、殺された者の怨みや念が形を得たものと考えられた。

Encounter

凶行のあった現場に立ちのぼる。人を殺めると、死体からこの火が抜け出して、下手人の懐へ音もなく入り込む。以後、殺された者が幽霊・亡霊となって枕元に現れる前には、決まってこの火がめらめらと燃え立つのだという。

Lore

怨みや念を火に見立てる観念から生まれた怪異。不本意な死を遂げた者が、せめて相手に改心を呼びかけるために発する火とも解される。江戸時代の小説にいくつか記されているくらいで、火の玉や人魂ほど広くは語られず、一般にはあまり馴染みのないものだった。

Traits

人魂とは違うとされ、殺された人間の体から出るその火は、被害者の怨念そのものといってよい。殺人者の懐に入り込んで取り憑き、罪の意識とは別に、下手人を幽霊の幻影で苛み続ける。触れれば高熱や心の乱れを招くとも語られる。

心火 cover image