剛胆な者にだけ頭を垂れる真定山の怪

悪四郎妖怪

恐れぬ者の前で、妖はうやうやしく頭を垂れた。

悪四郎妖怪 figure art

Danger and Rarity

C
戦闘力

驚かせ、転ばせる程度。命までは取らない。

C
敵対性

脅かし惑わせはするが、深追いはしない。

S
稀少性

ただ一体、一度きりの怪異として語られる。

Overview

芸州(現・広島県)真定山に棲むとされた妖怪で、石川悪四郎という名で語られる。山に入る者を数々の怪異や地鳴り、黒雲で脅かすが、恐れず立ち向かう剛胆な者には手を出さず、かえって敬意を示して立ち去ったと伝わる。

Encounter

頂へ登って一夜を明かそうとすると異変が始まる。黒雲がひっきりなしに空を走り、雨が降り、足元の地面が震動して、連れの者は耐えかねて逃げ帰ってしまう。ひるまず野宿した者の家にも、下山してしばらくは異形が繰り返し姿を見せるという。

Lore

根岸鎮衛の随筆『耳嚢』巻之十「怪柯棒の事」に、五太夫という少年武士の体験として載る。度胸を試そうと真定山へ登った五太夫が数々の怪異に動じずにいると、出家僧に化けた妖怪が現れ「これほど勇気ある人はいない、我らも山を立ち去ろう」と告げ、三尺ほどのねじ棒を残して消えたという。

Traits

姿かたちを自在に変え、異形の群れや大掛かりな怪異を繰り出して人の胆力を試す。しかし少しも動じない相手には害を加えず、逆に敬意を示して住み処を明け渡す、勇者を認める矜持を持つ怪だとされる。

悪四郎妖怪 cover image