疫病を連れてくる雨夜の低い炎

悪路神の火

雨夜の道に灯る、低い炎。近づけば移るのは熱ではなく、病である。

悪路神の火 figure art

Danger and Rarity

B
戦闘力

条件がそろえば、人の命にも関わる。

C
敵対性

脅かし惑わせはするが、深追いはしない。

A
稀少性

限られた土地でだけ、まれに語られる。

Overview

伊勢国間弓村(現・三重県度会郡玉城町)の猪ヶ淵に現れたという怪火。雨の夜、地上二〜三尺(約60〜90センチ)の高さをふわふわと漂って道を往来する。出会うと疫病にかかり、長く寝込むと恐れられた。

Encounter

灯るのは雨の降る夜、川沿いの暗い道である。誰かが提灯を提げて歩くように、地表近くの低い位置をゆらゆらと行き来する。行き当たると重い流行病を得るため、火が見えたらすぐ地に伏せ、頭上を過ぎ去るのを待つのがよいとされた。

Lore

植村政勝『諸州採薬記抄録』や、佐々木貞高『閑窓瑣談』に記される。後者は享保期に採薬使として諸国を巡った阿部友之進の見聞を典拠とし、間弓村の猪ヶ淵は幅十間ほどの川に丸木橋が架かる難所で、水底が深くヤマビルの多い土地であったと伝える。

Traits

地表すれすれの低さを漂う点に特徴があり、火の玉ながら人魂のようには高く浮かばない。自ら人を追うことはなく、うっかり触れた者にだけ重い病がうつるという。静かな夜に出会えば、決して気持ちのよいものではない気配をまとっている。

悪路神の火 cover image