掌の目で仇を捜す盲人の怨念
手の目
顔になき目が、掌の上で闇を睨みつける。
Overview
盲人が非業の死をとげた怨みから生まれたとされる妖怪。両手の平に一つずつ目を持ち、座頭の姿で描かれる。顔に目はなく、掌の目で辺りをうかがいながら、自分を殺した相手を捜してさまよう、執念の化身として語られる。
Encounter
出会うのは、人影のない薄の原や寂しい野を行くときとされる。満月の夜、両手を前へ差し伸べ、掌の目であたりを手探りするように現れ、行き会った者へゆっくりと近づいてくるという。
Lore
鳥山石燕の画集『画図百鬼夜行』に、座頭姿で両掌に目を持つ姿が描かれる。解説はないが、『諸国百物語』巻五「ばけ物に骨をぬかれし人の事」が下敷きとされ、京都七条河原で肝試しをした男が掌に目のある化け物に襲われ、骨を抜かれて皮ばかりにされたと記される。
Traits
顔の代わりに両の掌が目の役目を果たし、闇や薄原の中でも人の気配を探り当てる。「盲人をだませば七代祟る」という怨念から化生した者で、成仏できぬまま夜ごとにさまよい出る。時には火となって現れることもあるという。