嫉妬から鬼となった、橋のたもとの女神
橋姫
橋のたもとを、睦まじく渡ってはならぬ。水面に映るその横顔が、いつ角を生やすか、渡る者には決してわからぬ。
Overview
橋のたもとに祀られる女神であると同時に、深い嫉妬から生きながら鬼と化した女ともされる、二つの顔を持つ存在。宇治橋の橋姫が最も名高い。橋を守る神として敬われる一方、恋する者の縁を裂く恐ろしい女として畏れられた。
Encounter
遭うのは大きな橋のほとり。宇治橋のたもとには古くからその社があり、渡辺綱が鬼の腕を斬ったのは都の一条戻橋であったと語られる。婚礼の行列や仲睦まじい男女が社前を通れば、嫉妬を買って縁を裂かれると忌まれた。
Lore
嵯峨天皇の御世、ある公卿の娘が嫉妬のあまり貴船神社に七日籠り、生きながら鬼にしてほしいと願った。神託のままに全身を赤く塗り、鉄輪を戴いて松明を灯し、宇治川の瀬に二十一日浸ると、女は鬼と化した。妬んだ相手からその縁者まで、次々と手にかけたという。
Traits
男を殺すときは女に、女を殺すときは男に姿を変えて近づく、変幻の鬼。その呪いの作法は丑の刻参りの源流とされる。恨みを晴らせば果てしなく人を襲うが、鎮められて社に祀られれば橋を守り、悪縁を断つ神ともなる、荒ぶる心と守り神の二面を併せ持つ。