めったに見えぬ毛の塊

毛羽毛現

けうけげん / けうげげん / 希有希見

毛の奥の、二つの丸い目と目が合ったなら――それはもう、床下にあなたの家を選んだ、ということだ。

毛羽毛現 figure art

Danger and Rarity

D
戦闘力

直接人を害する力は伝えられていない。

D
敵対性

人への害意はなく、時に福さえもたらす。

A
稀少性

限られた土地でだけ、まれに語られる。

Overview

毛羽毛現は、鳥山石燕の『今昔百鬼拾遺』に描かれた、全身が長い毛に覆われた妖怪。毛の間からのぞく丸い両目だけが、それと知れる。名には「希有希見」の字が添えられ、めったに見られないことを意味する。石燕以前の文献には見えず、その創作と考えられ、後世には湿気た家に病をもたらす存在とも語られた。

Encounter

昭和以降の妖怪譚では、日の差さぬ床下や家のまわりの湿った物陰に、いつのまにか棲みついているとされる。掃除の行き届かぬ廃屋や、じめじめとした軒下にひそみ、毛むくじゃらの塊がうずくまっているが、めったに人目には触れず、気づいたときには家の者が理由もなく元気を失っている。

Lore

石燕『今昔百鬼拾遺』は、全身を毛が覆う姿を描き、そこに「希有希見」の字を添えるのみで、詳しい物語は記さない。解説は『列仙伝』に載る全身有毛の仙女「毛女」を引き、名は「稀有」と「怪訝」を掛けた語呂合わせともされる。床下や病との結びつきは、後世に加わった解釈である。

Traits

全身が長い毛にすっぽりと包まれ、手足の別も定かでない、毛の塊のような姿をとる。湿り気を好んで暗がりにひそみ、取り憑いた家の者はしだいに気力を失い、病がちになるという。清掃と乾燥を保てば、その毛塊はいつしか居場所を失って去るとされる。

毛羽毛現 cover image