寺を救った、恩返しの飼い猫

猫の神通力

貧しい寺の縁側で、雄猫が和尚をじっと見上げている。恩は、爪や牙ではなく、一陣の黒雲と、たった一度の祈禱で返すこともできる。棺が天へ昇るその日まで、猫は何も語らない。

猫の神通力 figure art

Danger and Rarity

C
戦闘力

驚かせ、転ばせる程度。命までは取らない。

D
敵対性

人への害意はなく、時に福さえもたらす。

C
稀少性

広く知られるが、日常で出遭うことはまれ。

Overview

寺を救うために和尚に策を授けた猫。葬式で棺桶を浮かせる怪異を起こし、和尚の祈祷で鎮めたように見せた。

Encounter

檀家も少なく倒産寸前の貧しい山寺で、暇を出そうとした和尚に、長年飼われた雄猫が涙ながらに人語で恩返しを願い出る。やがて村一番の長者の母が死ぬと、その葬列の只中で棺桶が黒雲とともに空高く舞い上がり、居並ぶ人々を狼狽させたという。

Lore

飼い猫が恩返しに寺を再興させる筋立ては「猫檀家」と呼ばれ、東北から九州まで各地に類話をもつ昔話である。葬式で棺桶を吊り上げる怪異を化け物の仕業と見せかけ、和尚の祈禱でこれを鎮めることで、和尚が生き仏と崇められる段取りになっている。

Traits

人の言葉を解して和尚に策を授け、風と黒雲を呼んで棺桶を宙高く巻き上げる神通力を操る。だがその力は人を害するためでなく、育ててくれた寺を栄えさせる筋書きのために振るわれる。役目を終えれば黒雲を鎮め、あとは何食わぬ顔で忠実に和尚へ仕え続けたという。

猫の神通力 cover image