娘を生贄に求める、山の魔神

猿神

さるがみ

白羽の矢が屋根に立つ夜、村は泣いた。神の名を騙る獣を噛み殺せるのは、神ならぬ一匹の犬だけだった。

猿神 figure art

Danger and Rarity

A
戦闘力

人の命を奪う明確な攻撃手段を持つ。

A
敵対性

人と見れば襲いかかる、強い害意を持つ。

C
稀少性

広く知られるが、日常で出遭うことはまれ。

Overview

毎年若い娘を人身御供に求める。正体は巨大な狒々などの猿の集団で、しっぺい太郎という犬によって退治された。

Encounter

山あいの村の社に祀られ、祭礼の夜に禍々しい姿を現す。白羽の矢が立った家では娘を白木の唐櫃に納めて社へ送り出す習わしがあり、供物を断てば作物を枯らし人を病ませて祟るとされた。誰も夜の社に近づけぬ闇の中で、眷属の猿を引き連れて贄を貪り食ったという。

Lore

旅の猟師や僧が犠牲になる娘の身代わりとなり、犬を用いて討ち取る『猿神退治』の話型として広く伝わる。原型は『今昔物語集』巻二十六に見える美作国の大猿の説話で、『宇治拾遺物語』にも類話がある。退治の名犬は昔話に『近江の国の長浜の』しっぺい太郎と唄われ、長浜はその犬の郷として名を残す。

Traits

正体は身の丈七、八尺に及ぶ大猿、あるいは狒々で、数十匹の眷属を従える。怪力で人を引き裂き贄を食らうが、神を騙る化生ゆえに勇猛な犬を何より恐れ、唐櫃に潜んだ犬に組み伏せられて正体を暴かれる。神威を笠に着るうちは強大だが、その虚仮が露見すれば脆い。

猿神 cover image