夜通し鳴る姿なき怪音
畳叩き
たたみたたき / バタバタ / パタパタ
音のする襖を開けても、そこには誰もいない。ただ、次の間からまた、ぱたぱたと。
Overview
畳叩きは、夜中に畳を棒で叩くようなバタバタという音だけが響く怪音の妖怪。姿は見えず、正体は石に宿る小人の精や、屋敷に居ついた狸などとされる。宿った石を持ち帰ると祟りがあると伝わる。
Encounter
決まって夜、人が寝静まった頃に、屋根の上や庭先、座敷のあたりから音が起こる。音のする方へ駆けつけ障子を開けても、そこには人影ひとつ無い。冬の夜明けには東から鳴りはじめて西へ去り、追う者の七、八間先から音が逃げていくともいう。
Lore
紀州では冬の夜明けに東から西へ移る音として『紀伊続風土記』に、岩国では夜通し町中に響いた怪音として『岩邑怪談録』に記される。広島ではその原因を、触れると瘧をわずらう「バタバタ石」の仕業とし、石から現れて叩く小人を捕らえようとした話や、石を持ち帰った者の顔に痣が出た話が伝わる。
Traits
姿を現さず、音だけで人を惑わす。畳や渋紙を打つような、大団扇を煽ぐようなバタバタという響きを夜通し立て、近づけばその分だけ遠ざかる。正体は石に棲む小人の精とも、屋敷に居ついた狸の悪戯ともいい、宿った石を持ち去れば、顔の痣や瘧となって祟る。