廃屋で軍議の声を立てる古道具の付喪神

箒や笛の付喪神

つくもがみ

誰もいない家から、軍議の声が漏れる。攻めるか、退くか——声を潜めて評定するのは、掃く者を失った箒と、吹く者を失った笛。かつて人の手にあった道具が、夜ごと戦の夢を見る。

箒や笛の付喪神 figure art

Danger and Rarity

D
戦闘力

直接人を害する力は伝えられていない。

C
敵対性

脅かし惑わせはするが、深追いはしない。

B
稀少性

各地に類話はあるが、遭うには条件がいる。

Overview

大阪の廃屋で、真夜中に大勢の武士が合戦の相談をするような話し声が湧くという怪異。声の主は姿を見せず、家に人の気配もない。その正体は、打ち捨てられて久しい古い箒や笛が化けた付喪神だと語られる。

Encounter

夜更け、人の絶えた廃屋のそばを通りかかると、誰もいないはずの奥から、幾人もの武士がひそひそと軍議を交わすような話し声が漏れ聞こえてくる。声をたよりに踏み込んでも人影はなく、床に転がっているのは古びた箒や笛ばかりだという。

Lore

打ち捨てられた古い箒や笛が化けて、真夜中に武士の軍議めいた話し声を立てるのだと、大阪のさる廃屋にまつわって語り伝えられる。器物が百年を経て精霊を得て人の心をたぶらかすとされる付喪神の一種で、室町期の『付喪神記』はそうした古道具が怪をなす由来を説いている。

Traits

正体は、色あせた古箒と、音を失った古笛にすぎない。夜ごと寄り集まっては声を寄せ合い、あたかも大勢の人が密談するかのような話し声だけを響かせる。姿は見せず、家人を惑わし怖じ気づかせるにとどまって、直に手を出して害することはない。

箒や笛の付喪神 cover image