床下で生気を吸う年経た蝦蟇
蝦蟇
ガマ / 大蝦蟇
床下から、猫が一匹また一匹と消えていく。主はなぜか床に臥せったきり。板を剥がせば、毛と骨の褥の上で、ぬめる巨体がじっとこちらを見上げている——生気を吸われていたのは、この家そのものだった。
Overview
年を経た巨大な蝦蟇が妖怪と化したもの。家の床下に潜んで住人の生気を吸い、原因不明の病に落とすと恐れられた。口から吐く気で猫や鳥などの小動物を吸い寄せ、呑み込んでしまうともいう。
Encounter
古い家で住人がわけもなく病み衰え、飼っていた猫や鳥が床下へ吸い込まれるように消えていく。怪しんで床板を剥がせば、下では獣の毛や古い骨に囲まれて、年経た大蝦蟇がうずくまっている。これを退治すると、病んでいた者はしだいに癒えたと伝わる。
Lore
伝承。ヒキガエルは日本や中国で古くから怪異をなすものとされ、人に化け、怪火を灯し、人に憑くとも語られた。長い舌を伸ばして獲物を一息に捕らえる姿から「生気を吸う」と解され、床下や厩に棲む大蝦蟇が住人や馬を病ませる話が各地に残る。随筆『耳嚢』は、指先が後ろを向いた蝦蟇は必ず怪をなすと記す。
Traits
虹のような気を吐くのが特徴で、長い舌を一瞬に伸ばして鳥や虫を絡めとる。その気は近づく小動物や人の生気までも吸い取るとされ、齢を重ねた個体ほど体は膨れ上がる。箱に閉じ込めても必ず抜け出し、ときに人の姿を借りて現れるともいう。