城跡の堀に潜む姿なき音の怪

貝吹き坊

かいふきぼう / 貝吹坊

堀の底から、ボー、ボーと。吹く者の姿は、ついぞ誰も見ていない。

貝吹き坊 figure art

Danger and Rarity

D
戦闘力

直接人を害する力は伝えられていない。

D
敵対性

人への害意はなく、時に福さえもたらす。

A
稀少性

限られた土地でだけ、まれに語られる。

Overview

岡山県和気郡の熊山城跡の堀に住むとされ、法螺貝を吹くような「ボー、ボー」という声だけを響かせる妖怪。姿を見た者はなく、名に「坊」を持ちながらも正体の知れぬ「音の怪」として語られる。

Encounter

廃城となった熊山城跡の、水をたたえた堀のあたり。人けの絶えた城山に日が暮れ、あたりが静まりかえるころ、どこからともなく低く尾を引く法螺貝の音が水面を渡ってくるという。

Lore

柳田國男監修『綜合日本民俗語彙』に、この城跡の堀で法螺貝のような声を発する怪として記録される。よく似た話に、味地義兵衛が唐津城の堀の怪を確かめに行くと青い目の化け物が現れ、睨み返すと水のように溶け消えたという随筆『思斉漫録』の一話があり、後にこの妖と結び付けて語られることもある。

Traits

姿を一切現さず、太く低い音を発するだけで、人に危害を加えたという話は伝わらない。声は堀の水辺から起こるとされ、その音に応じて何が起こるわけでもなく、正体を突き止めた者もいないまま語り継がれてきた。

貝吹き坊 cover image