福を告げる大晦日の怪火
金の神の火
かねのかみのひ
年が明ける。闇の底にひとつ、金色の火。——見た者は、来年の分限者だ。
Overview
愛媛県の怒和島に伝わる怪火。大晦日の夜、氏神の社の後ろに現れるとされ、丸く大きな火の玉の姿で語られる。年の変わり目に訪れる歳徳神の来臨のしるしとされ、害をなさず、見た者に富をもたらす吉兆の火である。
Encounter
年の暮れ、大晦日の夜更けに姿を見せる。氏神を祀る社の裏手へ、ふいに明るい火の玉が浮かび、あたりでざわざわと騒がしい物音が立つこともあるという。島の人はこれを、年の変わり目に神が渡り来たしるしと受け止めた。
Lore
年ごとに福徳を運ぶ歳徳神が、大晦日にこの火となって氏神へ通うと語り伝えられる。火を目にした者は金持ちになれるとされ、瀬戸内の怒和島のほか、九州の天草にも似た火が現れると伝わる。
Traits
一年に一度、大晦日にのみ姿を見せ、社の背後を静かに照らす。人を焼くことも脅かすこともなく、ただ見た者に富を約束する。同じ夜に立つ物音は、火とともに渡り来る歳神の気配とされ、災いの怪火とは性質を異にする。