廃屋で一声叫んで驚かす声の妖怪

うわん

買ったばかりの古屋敷。片づけを終えて床につくと、闇の底から家じゅうを揺らして「うわん」。朝、隣に問えば「そんな声は聞かぬ」と笑う。夫婦だけが、赤い目をしていた。

うわんの立ち絵

危険度・希少度

D
戦闘力
C
敵対性
B
稀少性

概要

うわんは、夜の静かな道で古い家や廃屋の近くを通ると、いきなり「うわん」という大声で人を驚かすだけの妖怪。声を発する以外のことはせず、その正体はまったく分かっていない。近づく者を害することはなく、ただ一声叫んで驚愕させる、東北・青森県に伝わる家の怪である。

出現

夜逃げした者が住んでいたような古屋敷や、人けの絶えた廃屋の前を、静まり返った夜に通りかかると出会う。屋敷を買い取って住み始めた者が、寝ようとした晩に家中から響く声を聞くこともある。声は家の内側からのみ聞こえ、外の近所には届かないとされる。

伝承

鳥山石燕が安永5年(1776年)に刊行した『画図百鬼夜行』前篇「風」に、三本指の姿で「うわん」が描かれる。青森の古屋敷を舞台とする怪談は山田野理夫『東北怪談の旅』(1974年)に収められ、古老が「古屋敷には昔からうわんがいる」と語る話として伝わる。

特徴

古屋敷や廃屋に棲みつき、夜そこを訪れた人や住みついた者に対して、家中に響く「うわん」という一声を突然浴びせて驚かせる。声は家の内にいる者にだけ聞こえ、外の近所までは届かない。姿を現して襲うことはなく、ただ大声で相手を怯えさせるのみで、その正体は誰にも見きわめられていない。