夜の野原を歩く巨大な骸骨
がしゃどくろ
がしゃどくろ / 餓者髑髏
野に朽ちた骨は、誰にも拾われなかった恨みを覚えている。それが千も万も寄り集まり、月のない夜、ガチガチと立ち上がる。逃げる足音を、巨大な掌が上から静かに追い越していく。
概要
がしゃどくろは、野垂れ死にした人々や戦死者など、埋葬されなかった死者の骸骨や怨念が集まって生じるとされる巨大な骸骨の妖怪。夜の野原を歩くとされる。古典の直接の出典を持たず、昭和中期に創作された比較的新しい妖怪で、民間伝承由来ではないと指摘されている。近年は「餓者髑髏」と当て字されることもある。
出現
人けの絶えた夜の野原にあらわれるという。ふだんは姿を見せず、夜になるとどこからかガチガチと骨の鳴る音を響かせながら近づいてくる。その巨躯は人の背丈をはるかに超え、闇の中でさまよい歩き、通りかかった生者を見つけると、いきなり大きな手で掴みかかってくるとされる。
伝承
がしゃどくろは、鳥山石燕らの江戸期絵巻に見えず、古典に直接の出典を欠く。斎藤守弘が『別冊少女フレンド』1966年11月号の妖怪特集で紹介したのが書籍への初出とされ、本人はイギリスの幽霊譚「グラミス城の黒い騎士」から着想したという。昭和中期の創作妖怪であり民間伝承由来ではない、と指摘されている。
特徴
単体では死ねなかった無数の死者の骨と怨念が寄り集まり、一つの巨大な骸骨をかたちづくる。夜、ガチガチと骨を鳴らして野を歩き、生きた人間を見つけると襲いかかって掴みあげ、握りつぶして噛み殺し、食らうといわれる。その姿は歌川国芳の浮世絵『相馬の古内裏』の巨大な骸骨を出自として広まった。