庚申の夜、屋根から覗く三尸の鬼
しょうけら
精螻蛄 / しゃうけら / せうけら / しやうけら / 笑輾
六十日に一度、あなたが眠るのを、屋根の窓から待っている影がある。まどろんだが最後、しょうけらは天へ駆けのぼり、あなたの罪を洗いざらい告げてしまう。――だから今夜は、眠ってはいけない。灯を消しては、いけない。
概要
しょうけらは、庚申(こうしん)の夜に現れる鬼。道教に由来する三尸虫(さんしちゅう)の一つとされ、人が寝入ると体内を抜け出して天へ昇り、天帝にその人の罪を告げて寿命を縮めるという。鳥山石燕は屋根の天窓から家の中を覗き込む姿に描いた。
出現
六十日ごとにめぐる庚申の夜、屋根の明かり取りの窓に、ぬっと影が差す。しょうけらは、家の者が眠ってしまったかどうかを、天窓から覗いてうかがう。人々はこの夜だけは眠らず、灯をともして夜を明かし、三尸虫を体から出すまいと語り合って過ごしたという。
伝承
しょうけらは、佐脇嵩之『百怪図巻』や鳥山石燕『画図百鬼夜行』(安永5年・1776年)に絵のみ描かれ、解説を欠くため実像は定かでない。道教の三尸信仰と結びつく庚申待の俗信に名が見え、「精螻蛄」の字を当てるが典拠は不明。庚申の本尊・青面金剛が手にする「ショケラ」とも同源の語と考えられている。
特徴
人が眠ると体を抜け出す三尸虫の化身で、屋根の天窓から家をうかがい、天へ昇って住人の罪を天帝に密告する。告げられた罪の分だけ人の寿命は縮むとされ、これを防ぐには庚申の夜に眠らず、呪文を唱えて三尸を封じるほかなかった。石燕らの絵には解説がなく、その実像は後世の推測に委ねられている。
しゃうけらは、わたとてまたか我宿へ、寝ぬぞ寝たかぞ、寝たかぞ寝ぬば
庚申待の呪文