家に伝わる蛇形の憑きもの
そんつる
ソンツル
姿は誰も見たことがない。ただ、皮膚の内側を這う感触と、藪のどこかに残された抜け殻の気配だけが、そこにいる証となる。
概要
特定の家系(そんつるの家)に憑く蛇やミミズのようなもの。皮膚の下に入り込んで害をなす。
出現
伯耆の旧家に生まれ、あるいは嫁ぐことで関わりが生じるとされ、路上や野外で偶然出遭う類のものではない。当人が病に伏し、皮膚の下に何かが這い回るような痛みを訴えたとき、初めてその家がそんつる筋であることが語られるという。
伝承
代々憑きものが伝わるとされる家筋の伝承で、多くは狐が憑くとされる家筋(狐ヅル)を指す。まれに蛇やミミズのような姿のトウビョウが憑くとされる家もそんつると呼ばれた。憑きもの筋の信仰は中国・四国地方を中心に各地に見られる。
特徴
姿を見せることがほとんどなく、皮膚と肉の間に入り込んで病人の体を蝕む。憑かれた者に体の様子を尋ねると、木の陰や藪の中に自分の体を置いてきたと答えるという。抜け殻のような本体が近くに潜んでいる間だけ、人に取り憑いていられると伝えられる。